理工学部環境創生部門の斎藤隆泰准教授と、電子情報部門の加藤毅教授が2021年度非破壊検査協会論文賞を受賞しました。
理工学部環境創生部門の斎藤隆泰准教授と電子情報部門の加藤毅教授の共同研究の成果が2021年度一般社団法人非破壊検査協会論文賞を受賞しました。
斎藤准教授と加藤教授は「セコム科学技術振興財団一般研究助成」等の支援の下、安全?安心な社会を目指し、レーザーを用いた社会インフラ構造物等の維持管理において極めて重要な非破壊検査を自動化する研究を共同で行ってきました。今回の論文では、時間領域境界要素法と呼ばれる数値解析手法を有効に使って、レーザー照射により励起された超音波伝搬を模擬し、その結果を、深層学習を用いてAIに学習させています。また、単にAIに学習させるだけでなく、超音波伝搬をAIがどのように捉え、材料中の欠陥の有無等を判定させるかについてまで議論した論文です。近年では、社会インフラ構造物の維持管理技術者が、将来の人口減と共に減少していくことが危惧されていますが、このようにAIを有効に利用することによって、検査効率の向上や、検査技術者の減少に対応できることが期待されています。本論文賞は、レーザーを用いた超音波非破壊検査にAIを取り入れることをいち早く提言し、実際にそれが可能であることを最初に示した論文であり、今後の進展も大いに期待されていることから、論文賞受賞に至りました。
本論文賞は、2021年度に投稿された査読付き学術雑誌、非破壊検査の論文の中から、最も学術的に優れた論文に対して表彰を行う制度です。今後は、実際の社会インフラ構造物への応用や、欠陥の有無だけでなく、欠陥形状や、AIを使って推定する研究を行っていく予定とのことです。