大学院理工学府 物質?生命理工学領域博士後期課程3年の髙澤彩香さんが、2024年繊維学会年次大会において優秀口頭発表賞を受賞しました
2024年6月12日~14日にタワーホール船堀で開催された2024年繊維学会年次大会において、分子科学部門?高分子構造物性研究室(上原?撹上研究室)の髙澤彩香さんが優秀口頭発表賞を受賞しました。本賞は2024年4月1日の時点で40歳未満であり、正会員、または博士後期課程に在籍する学生会員を対象とするもので、学生では髙澤さんが唯一の受賞となりました。
髙澤さんの発表題目は「ネットワーク化した絡み合いが誘起する超高分子量ポリエチレン溶融延伸試料の特異的構造」です。
高分子構造物性研究室では、高分子延伸技術を活かした高性能フィルム?繊維の作製に取り組んでいます。
髙澤さんの研究は東ソー株式会社との共同研究によるもので、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)の溶融延伸過程で形成される、分子鎖絡み合いが誘起する特異的な周期構造について、溶融延伸試料の昇温過程における緩和挙動をin situ X線測定により追跡することで議論、モデル化しました。この成果は、UHMW-PE分子鎖が形成する3次元絡み合いネットワークの本質に迫るものです。
髙澤さんはJST次世代研究者挑戦的研究プログラム「グンマ創発的博士人材インダクションプログラム」に採択されており、本研究はその支援を受けて行われました。
今回受賞対象となった研究は、「Sメンブレン」プロジェクトの一環として行われたものです。
群馬大学研究?産学連携推進機構では、今後の本学における新たな強み?特色として高い可能性を有するプロジェクトを「重点支援プロジェクト」に指定しており、研究拠点の形成を目指した「推進研究(G2)」の一つとして、超高性能?高機能な膜材料を創製する「スーパー?メンブレン」プロジェクト(略称:「Sメンブレン」プロジェクト)を推進しています(代表:上原宏樹教授)。