飛び回るドローンにプロジェクションマッピング~210度の広範囲に投影できるプロジェクション技術を開発~
群馬大学(群馬県前橋市)は、ドローンのように広範囲を移動する対象に映像を投影し続ける技術を開発しました。開発した技術は、プロジェクターが映像を投影する方向を機材の周囲210度の範囲にわたり高速に変更できるため、ドローンのように広範囲を高速に移動する対象を追いかけて映像を投影し続けることができます。本技術は、ドローンを利用した広告や演出、ドローンによるアバターロボット(図1)に応用できます。
本件のポイント
- ドローンのように広範囲を移動する対象に映像を投影し続ける技術
- 3枚の電動回転鏡でプロジェクターの投影方向を210度の広範囲にわたって高速に変更
- 想定される応用用途:ドローンを利用した広告や演出、リモートワーク用アバターロボット
紹介動画
180 projector: wide angular range projection mapping method applied to flying avatar robot
本件の概要
ドローンのように動き回る対象に映像を投影できれば、人目をひく広告や演出の実現が期待できます。また、遠隔地からドローンを操縦しながら、ドローン上に遠隔地の人の映像を投影することで、ドローンをアバターロボットとして利用できます。これによって遠隔地から空中を自由に移動しながら現地の人とコミュニケーションをとることができるため、新しいリモートワークのツールとしての活用が期待できます。
しかし、通常のプロジェクターは固定した範囲しか投影できないので、ドローンがその限られた範囲の中にいる時しか投影ができないという問題がありました。プロジェクターの投影方向を変更できる仕組みもありますが、これまでのものは、投影方向の制御範囲が60度程度と狭い範囲に限られているか、投影範囲は広いが動きが遅くてドローンのように高速な対象の追従は難しいものしかありませんでした。
そこで、機材の周囲210度にわたる広い範囲に投影ができる新たな投影技術を研究?開発しました。当該技術では、プロジェクターの投影方向を3つの電動回転鏡を利用して、機材の周囲210度の範囲で変更することができます。試作システムの写真を図2に示します。この機材にはプロジェクターの他に高速ビジョンセンサが取り付けられており、このセンサで投影対象の位置を0.002秒ごとに計測しています。そして、計測された位置に映像が投影されるように高速に鏡の角度を制御して、安定した映像投影を実現しています(図3)。
本研究成果は、INTERACTINO2021 第25回一般社団法人情報処理学会シンポジウム(2021年3月10日(水)~3月12日(金)、完全オンライン開催)にて、3月11日(木)に発表予定です。
本研究の一部は、SCOPE No.181608001 に基づいて実施されました。
関連リンク
- INTERACTION2021第25回一般社団法人情報処理学会シンポジウム
- 群馬大学理工学部?大学院理工学府
- 奥寛雅教授の研究室
- 群馬大学広報誌GU’DAY2020年冬号「研究紹介『次世代の映像利用技術』(奥寛雅教授)」
プレスリリース
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