理工学府分子科学部門の海野教授を含む日?仏?オーストラリアのチームがケイ素-酸素からなる巨大クラスタを初めて合成したことを発表しました
大学院理工学府分子科学部門の海野雅史教授、マチルダ=ライーさん(2016年から17年にJASSO交換留学生として在籍;現在は京都大学博士研究員)を含む、日本、フランス、オーストラリアの研究チームが、これまでで最も大きなケイ素-酸素クラスタ分子(かご型シルセスキオキサン)であるT18を初めて合成し、Angewandte Chemie International Edition (IF=13.0)に発表しました。このT18はケイ素18個、酸素27個からなる骨格を有しており、材料としても活発に応用研究が行われているかご型シルセスキオキサンの中で、もっとも大きなものです。これまでに知られていた最大のクラスタがケイ素12個、酸素18個でしたので、大きく記録を更新したことになります。もともと超高耐熱性であるシルセスキオキサンですが、低誘電率、高屈折率など、巨大なかご型構造に起因する新しい物性が期待されます。
掲載内容
Laird, N. Herrmann, N. Ramsahye, C. Totée, C. Carcel, M. Unno, J. Bartlett, M. Wong Chi Man, Angew. Chem. Int. Ed., 60, 3022–3027 (2021).