理工学府 物質?生命理工学教育プログラム1年の高橋愛永さんが、第25回ケイ素化学協会シンポジウムでポスター賞を受賞しました
ケイ素化学協会は1996年にそれまでいくつか存在していたケイ素化学に関する学協会を統合して設立され、産官学をまたぐ会員によるケイ素化学関連で唯一の協会として機能しております。設立直後より年1回シンポジウムが開かれていますが、本年第25回、オンラインで開催されたシンポジウムにおいて、理工学府 物質?生命理工学教育プログラムの高橋愛永さんが見事にポスター賞を受賞しました。
同君の発表は、所属する研究室でYujia Liu助教(元未来先端研究機構海外ラボラトリー助教)のもと行ってきた、反応性置換基を有するバタフライケイジの合成に関するものです。一昨年に報告された、羽を持つ蝶のような骨格を持つシロキサン化合物であるバタフライケイジに、新たにビニル基を導入することに成功し、多数の立体異性体から一つの構造を結晶化させ、その物性を明らかにしました。さらに、ビニル基からの官能基変換にも成功し、本化合物が高耐熱性、低誘電率の高機能材料の良い前駆体となることを示しました。
本シンポジウムではケイ素系企業からの参加も多く、単に学術的な興味が持たれるだけではなく、応用を見据えて将来性があるかという視点からも審査が行われており、同君の研究が高く評価されました。